こんにちは!かなこです。帰国日がいよいよ近づいてきた5月のある日。「バルセロナならではのビール体験がしたい!」と思い見つけたのが、クラフトビールメーカー、Birra 08が主催するペアリング体験。早速参加してきました。
バルセロナらしい料理・食材とのペアリングもあり、とても刺激的な体験だったので紹介させてください!
Birra 08とは?
2010年にバルセロナで創業された、クラフトビールメーカー。
「08」は、バルセロナの郵便番号の頭2文字から取ったそう。そして、Birra 08のビールには、バルセロナの地区の名前と郵便番号が冠されています。
バルセロナに住んでいる身からすると、「このビールはなんでこの地区の名前なんだろう?」と考えてみるだけでも面白いです!
ペアリング体験の流れは?雰囲気は?スペイン語は必要?
私が参加したのは、こちらのペアリング体験。
1人45ユーロで、所要時間は約2時間。大きく2つのパートに分かれています。
① 醸造設備・ビールの造り方・ビールの歴史の解説(30分程度)
② 5種類のビールとのペアリング(1時間30分程度)
基本はスペイン語で進みますが、担当の方が可能な限り英語に翻訳してくださいます。ちなみに、私たち以外の参加者(5名)は、カタルーニャ語あるいはスペイン語を話せる方でした(英語は話せる人もいれば話せない人もいる状況)。そのため、体感としては会話の70%はスペイン語でした。
また、各参加者のビールに対する知識量もまちまち。普段はビールを飲まないという人もいれば、なんと家でビールを造っている方も。
そうした状況の中でも、担当のアンドレスさんの軽快なトークのおかげで、参加者全員が楽しい時間を過ごせました。ビールに詳しくない方やスペイン語に自信がない方でも楽しく参加できると思います。
ただ、個人的にはスペイン語が話せる人と一緒に参加し、翻訳して貰う or 中級以上のスペイン語力があれば、よりガツガツ参加できたかな〜と思います。
いよいよペアリングの始まり!
醸造設備やビールに関する知識を解説いただいた後、全5種類のビールとそれに合うタパスが用意されていました。
- ペアリング1: サワーエール × オイルサーディン、ベルムート漬けのオリーブ
- ペアリング2: ペールエール × マト(ヤギチーズ)、ゼリー
- ペアリング3: ラガー × パン + オリーブオイル & 塩
- ペアリング4: IPA × クラッカー + ロメスコソース
- ペアリング5: スタウト × ブラウニー
サワーエール × オイルサーディン、ベルムート漬けのオリーブ
まずは、爽やかな青いラベルが印象的なサワーエール!
アルコール度数は3.8%、IBU10とかなり軽めの1杯です。見た目は少し濁りのあるイエローで、程よい泡立ち。ほんのりとしたあんずの香りと、しっかりとした小麦の香りを感じました。飲み口は軽やかで、少し酸味があります。
ちなみにこのビールは、バルセロナのビーチ「BARCELONETA(バルセロネータ)」と名付けられています。ラベルの水色と明るい黄色のコントラストが、バルセロナの初夏!の雰囲気にぴったり。
ペアリングは、オイルサーディンとベルムート漬けのオリーブ。
オイルサーディンは、たっぷりと油につけ込まれているものの、爽やかな酸味がありました。また、ベルムート漬けのオリーブが美味しすぎてびっくり(ベルムート‥ワインにハーブを漬け込んだ飲み物)!ベルムートに漬けることで、一般的なオリーブよりも塩味が抑えられると同時に旨みが凝縮されていました。
どちらも、酸味とコッテリさのバランスがよく、爽やかなサワーエールと相性バッチリでした!
ペールエール × マト(ヤギチーズ)、ゼリー
2杯目はペールエール!
アルコール度数は4.3%、IBU35。こちらはBirra 08のある地区「EL CLOT(エル クロット)」と名付けられています。
こちらは濁りがなく、ゴールドに近い黄色。蜂蜜やキャラメルのような甘い香りが印象的。飲んでみると少しスモーキーで、しっかりとしたモルトの風味を感じました。
ペアリングは、カタルーニャ名物・マトとカラフルなゼリー!
マトとは、ヤギのフレッシュチーズ。ポロポロした舌触りで、カッテージチーズのようなイメージです。通常は蜂蜜をかけて食べますが、今回はチーズ単体とのペアリングを楽しみました。
ゼリーは見た目に反して甘さ控えめ。羊羹の味と食感に近いかもしれません。一杯目に比べるとやや苦味がしっかり目のビールだったので、爽やかなチーズ、甘すぎないゼリーがビールの苦味を和らげてくれました。
また、「ビールとチーズの組み合わせって、ワインとチーズの組み合わせほどメジャーじゃないよな?」と思っていたところ、アンドレスさんに「でもシリアル×ラクトースの組み合わせってよくあるでしょ?」と言われました。
確かに、朝ごはんに食べるコーンフレーク×牛乳しかり、パン×チーズしかり、シリアル×ラクトースは日常的な組み合わせ。ビールの原材料も麦芽なので、確かにシリアル。合わないはずがないのか!と納得しました。
乳製品とビールのペアリングをもう少し探究してみたいな〜!と新たな探究の芽が生まれました。
レモンIPA × パン + オリーブオイル & 塩
次は、Rosa NegraというレモンIPA。
アルコール度5.5% で、ガツンとした苦味の強い一杯(IBUを記録し忘れました、、、)。
こちらはバルセロナにあるメキシコ料理レストラン、Rosa Negraとのコラボビール。見た目は暗めの黄色。すっきりした飲み口で、ほんのりレモンの風味を感じます。
こちらとのペアリングはパン!オリーブオイルと塩をかけていただきます。パンはいわゆるサワーブレッドで、ほのかに酸味がありました。レモンビールの酸味やすっきりとした飲み口との相乗効果で、パンの芳醇な味わいが際立ちます。
このパンもバルセロナのパン屋さんから仕入れているそうで、かなり美味しい。また、安定感のあるペアリングで、アンドレアスさんも「シリアル(モルト)×シリアル(パン)の組み合わせは間違いない!!!」とおっしゃっていました。
IPA × クラッカー + ロメスコソース
お次はIPA!
アルコール度6.5%、IBU40。こちらはバルセロナの20-30代を中心に人気のおしゃれ地区、「GRACIA(グラシア)」と名付けられています。私は習い事のため、週1回グラシアに通っていました。おしゃれな服屋や美味しくてリーズナブルなタパス屋さんも多くて大好きな場所です。
ビールはというと、見た目はブラウンがかった黄金色で泡立ちが良かったです。ほんのりアプリコットの香りがします。飲んでみると、こちらもホップの苦味をかなり感じました。ただ、飲み口が軽やかなので、するすると飲めます。
こちらと合わせるのは、ロメスコソースにディップしたクラッカー!
ロメスコソースとは、トマトやパプリカパウダー、ニンニク、カシューナッツなど、様々な材料の旨みが合わさったソース。カタルーニャ名物の焼きねぎ(カルソッツ)につけるソースとしても有名です。私はこのソースが大好きなのです、、、、。
ロメスコソースの豊かな味と、安定のシリアル味を感じるクラッカー。パンチのあるIPAとベストマッチでした!
ブラウンエール × ブラウニー
最後はブラウンエール!
アルコール度6.4%、IBU50。こちらは「EIXAMPLE(アシャンプラ)」と名づけられています。アシャンプラはカタルーニャ語で「拡大」という意味で、19世紀以降にバルセロナの居住地拡大のために築かれた地区です。現在は歩行者優先の街づくりを目指し「スーパーブロック」というプロジェクトが推進されています。晴れた日に散歩をするのが楽しいエリアです。
参考:GLOBE+「バルセロナで相次ぐ「スーパーブロック」とは?歩行者優先を追求したら実現した計画」
ビールはというと、しっかりとしたブラウン色。焙煎したコーヒーの香りがします。飲み口はかなりすっきり。苦味がしっかりとあるものの、ごくごくと飲めました。
こちらと合わせたのは、上品な甘さのブラウニー!
実は私、ビールとスイーツのペアリングが大好きでして。このペアリングも、苦味が強くてキレのあるブラウンエールとブラウニーのまろやかな甘さが対照的で、これぞマリアージュ!と感じました。
本当に美味しかった!
終わりに
バルセロナならではの食材・料理とのペアリングが目から鱗でした。地元のクラフトビールメーカーの知見・アイデア強し!2010年の創業以来、地元との繋がりや交流を大事にしてきたBirra 08さんだからこそできるペアリングだと感じました。
個人的には、1杯目のサワーエル×オイルサーディン、ベルムート漬けのオリーブのペアリングと、最後のブラウンエール×ブラウニーのペアリングが好きでした。また、3杯めとのメアリングで登場したロメスコソースは私の大好物。日本でも普及すべく、私もビールペアリング企画してみたい!
皆さんも、バルセロナにお越しの際にはぜひBirra 08のワークショップを体験してみてください!また、バルセロナ各地のレストランやスーパーでもBirra 08のビールを手に取ることができます!見かけた際には、ぜひ一度頼んでみてくださいね〜〜!